省エネ住宅について
■既存住宅を省エネ改修する方法

既存住宅は省エネ化が進んでおらず、国土交通省の推計では、平成30年(2018年)時点で既存住宅約5,000万戸のうち省エネ基準適合住宅は約1割とされています。

また、平成30年住宅・土地統計調査によると、全国の約7割の住宅の窓が単板ガラスの窓のみとなっており、省エネ性能が不十分な住宅が多く存在していることを示しています。

人口減少や空き家が問題になってきている昨今では、住宅を新築するだけでなく、積極的に既存住宅を活用していく必要があり、今後省エネ改修の必要性がさらに増していくものと思われます。
省エネ改修の方法は3つあります。
全体改修
住宅全体を改修して省エネ化を図る方法です。壁、床、屋根や天井などに断熱材を設けたり、より断熱性能の高い窓に交換したり、高効率な機器を導入したりします。住宅全体を改修するので、高いレベルの省エネ性能を目指すことが可能です。しかし、その分コストがかかりますので、改修後に長く住みたい場合におすすめの方法です。住宅を新築するよりも空き家を取得して全体改修したほうが経済的な場合もあります。
ゾーン改修
居間、寝室、浴室、トイレなど、普段生活するエリアのみを区切って改修する方法です。富山県の住宅は全国と比較して一戸あたりの床面積が大きいのが特徴です。住宅全体を改修するのがコスト的に難しい場合は、ゾーン改修を検討してみてはいかがでしょうか。
部分改修
窓だけを改修するなど、特定の部位のみを改修する方法です。比較的手軽にできますが、一部分のみの改修となりますので、全体改修やゾーン改修と比べると省エネ性能の向上は限定的です。しかし、後述のように窓の断熱改修をするだけでも効果があるので、あまりコストをかけたくない場合におすすめの方法です。
部位ごとの断熱改修
部位ごとの断熱改修についてご説明します。
窓の断熱改修
予算に限りがある場合、まずは窓の断熱改修がおすすめです。
住宅の最大の弱点は窓です。冬の暖房時は58%の割合で開口部(窓やドア)から熱が流出し、夏の冷房時は73%の割合で開口部から熱が流入するとも言われており、窓を断熱化することで大きな効果が見込めます。(参考:一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会)
また、窓は比較的簡単に工事ができますので、短時間で工事を完了させることができます。
窓の断熱改修には、窓ガラスのみ交換する方法、サッシごと交換する方法、内窓を設置して二重サッシにする方法などがあります。
省エネ改修に対する補助制度
省エネ改修に対し補助金を交付する制度がありますので、改修の際はご確認ください。契約・事業着手の前に交付申請などの手続きをしなければならない場合もありますので、早めに相談することが必要です。また、多くの補助制度で併用不可(同一の工事について複数の補助制度を使って重複して補助金を受け取ることはできない)となっておりますので、ご注意ください。
